うつの予防には活動的な週末を

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ついにというか、やっぱりというか、

最近続々同じような研究報告があがっています。

 

健康のための運動には、

”Leisure Time Physical Activity”

つまり、余暇時間の身体活動量を増やすべきだというのです。

 

「身体活動量」については、これらの過去記事を参照してください。

歩数は活動量の指標にできるのか?

身体活動量の測り方

 

活動量とは「活動している量」のことなので、通勤・通学、仕事・家事、日常生活活動などいろいろ場面の活動が含まれます。

 

活動量が多ければ、生活習慣病や転倒・骨折、認知症、うつ病などの予防という様々な健康に関する効果があることがわかっています。

 

それが今までの常識だったのですが、

最近、特に「余暇時間」の活動量が健康に及ぼす効果が高そうだということが分かってきました。

 

「余暇時間」というのは、自分の自由に使える時間です。

仕事でもなく、学校でもなく、家事をする時間でもなく、介護や育児に費やす時間でもありません。

(育児という点では、「子どもと遊ぶ」は余暇時間に含まれるかもしれません)

 

そんな時間あるか!!

 

と言う方。

はい。お気持ちわかります。

 

ごめんなさい。話を続けさせてください。

 

 

例えば、私たちも普段はデスクワーク中心ですが、授業がある日は立ったり歩いたりする時間が多いです。

しかし、業務で「立ったり歩いたりせざるを得ない」状況が果たして健康に良い影響があるのでしょうか。

もしそうだとしたら、休日なく働いている人が一番健康的だということになります。

 

 

信用しない信用しない。そもそも平日は大嫌いだ。

 

 

 

論文を一つ紹介します。

 

うつのリスクを減らしたければ、休日に動くべし

 

ブラジルで行われた研究です。

18歳以上の209人に対して、活動量と精神状態(抑うつと不安)について調査しています。

 

身体活動量は、加速度計を使って中強度活動、高強度活動を測定し、

通勤、仕事、余暇の活動量を質問紙で調査しています。

 

精神状態は、HADSという抑うつや不安の状態を調べる質問紙で調査しています。

 

身体活動量が抑うつの状態に及ぼす影響を線形回帰分析で調べています。

 

その結果、

全身体活動量および余暇時間の身体活動量が多い人ほど、抑うつや不安の傾向が小さいことがわかりました。

 

次に、年齢、BMI、喫煙などの交絡因子で調整すると、

余暇時間の活動量のみが抑うつや不安の傾向との負の関係がありました。

 

つまり、

余暇時間の活動量が多い人は、年齢やBMIなど他の健康に影響する要因に関わらず、抑うつや不安状態になりにくい

ことを表しています。

 

うつのリスクを減らすためには、通勤や業務中ではなく、

休日や勤務外での活動量を増やすべきという事ですね。

 

 

「全活動量」ではなく「余暇時間活動量」がやっぱり健康への影響が大きいのかもしれません。

特に、うつや不安など精神的な健康状態への影響は大きそうです。

 

 

私の職場でも調べてみようかな。

 

引用元

Beatriz A.S. Aguilar, William R. Tebar, Stefany C.B. Silva, Leonardo Q. Gomes, Tatiana M.M. Damato, Jorge Mota, André O. Werneck & Diego G.D. Christofaro (2021) Leisure-time exercise is associated with lower depressive symptoms in community dwelling adults., European Journal of Sport Science, DOI: 10.1080/17461391.2021.1895892

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