1日1万歩で脳年齢は保てるのか

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大型連休も終わり1週間。

連休明けの仕事の辛いこと。

 

仕事や日常がだんだんと元通りになったところで、次は連休太りの解消です。

 

さて、運動しましょう!!

 

といっても、なかなか運動はできません。

このブログでも度々運動量については話題にしてきており、

一応、アメリカで出された身体活動ガイドライン2018で推奨されているものを推し進めて紹介しているのであります。

身体活動ガイドライン2018年第2版

しかし、便利な端末が種々普及する中、歩数計アプリなどで「今日はイチマンポ歩いた!!」なんて言いながら一喜一憂している人も多いでしょう。

 

実際、「身体活動ガイドライン」では歩数に関しての目安はなく、1週間に150分以上の中強度以上の運動が推奨されているのです。

日本人では平成の中ごろから「1日1万歩」という目安が何となく流行しており、スマホの普及に伴って歩数計アプリの進化も素晴らしいのですが(私も使っている)、

「1日1万歩」と「1週間に150分以上」だと、「1週間に150分以上」の方が、達成するのが大変な基準になっているのです。

 

 

えぇぇぇ・・・・。1日1万歩で満足してたのに・・・・

 

 

いらんこというなよ・・・。

 

 

ごめんなさい。

 

 

今日は、そんな方のために(そしてズボラな私自身のために)、

1日10000歩でもきっと良いことがあるのよ!という研究を紹介します。

ソースはこのブログでも良くお世話になるJAMAからです。

 

1日1万歩あるいていたら脳が大きくなる?

 

実際の論文のタイトルは、「軽い身体活動量と脳の大きさの関係」です。

 

Framingham Heart Studyというマサチューセッツ州(アメリカ)でかなり昔から行われている研究のデータを活用しています。

Framingham Heart Study第3世代など(2008年から2014年)のデータ2354名分が解析されました。

参加者らは加速度計によって身体活動量(歩数と低強度・中強度活動量)を測定し、MRIによって脳の大きさなどを測定されました。

いたってシンプルな横断的研究です。

参加者の平均年齢は53歳。54%が女性でした。

そしてこれらの参加者のうち、いわゆる身体活動ガイドラインの基準を満たして日常的な運動を行っていたのは47%でした。

ということは、半数以上の人は活動量がガイドライン以下!!

 

 

では、歩数と脳の大きさの関係はどうだったのでしょうか。

 

データ解析の結果、軽い身体活動の量が多い人ほど脳が大きいことが明らかになりました。

特に1日に1万歩以上歩く習慣のある人は、脳の年齢が1.1歳若いことが明らかになりました。

 

脳は年齢に伴って萎縮していきます。

脳年齢が若いということは、脳の大きさが大きいということです。

 

あら、脳年齢が若いって素敵な響きじゃない♡

脳にシワが増えるってこと?

そうよん♡運動しないと顔ばっかりにシワが増えちゃうってことよ♡

 

 

そしてこの研究の面白いところは、

ご丁寧に「身体活動ガイドライン」の基準を満たしていない人のデータも別で解析しているところです。

身体活動ガイドラインの基準を満たしていないということは、

健康維持のために十分な活動が行えていないと言えるのです。

 

この人たちのデータで活動量と脳の大きさに関係がなかったら、

やっぱり脳の大きさについても身体活動ガイドラインの基準が良いということになります。

 

 

では、データ解析の結果です。

 

ガイドラインの基準を満たしていない人の中で、

1日に7500歩歩いている人は、そうでない人に比べて脳年齢が2.2歳若いことが明らかになったのです。

つまり・・・

ガイドラインの基準を満たしていなくても、1日に7500歩程度歩いていればある程度脳の容量は保つことができますよということです。

 

あら♡

 

 

はい。

 

運動があまり好きではなくズボラな人にとっては、とても良い結果を示した研究でした。

だって、脳の大きさを保とうと思ったら、

ガイドラインの基準よりも、もっと緩い基準で良いんですもん。

 

私の場合、1日10000歩なら授業のある日なら余裕で超えるし、

7500歩なんて通勤してるだけで超えそう。

 

スバラシイわん♡

 

 

んん??? スバラシイのか・・???

 

この記事で紹介したは「脳の大きさ」に注目しているため、主に「認知症」発症と身体活動量の関係について検証しているのです。

 

「身体活動ガイドライン」では認知症についても考慮していますが、死亡者数や重度障害を負う可能性の多い「心血管疾患」予防がメインのテーマです。

その点は考えながら、この研究を理解する必要があります。

 

認知症を予防するためには1日1万歩程度の活動で良いですが、

心臓病や脳卒中になりたくないなら、もうちょっと運動しなさいよ。

と言うことかもしれません。

 

 

やっぱり、がんばって運動しよう。

 

引用元(全文読めます)

Spartano NL, Davis-Plourde KL, Himali JJ, et al. Association of Accelerometer-Measured Light-Intensity Physical Activity With Brain VolumeThe Framingham Heart StudyJAMA Netw Open. 2019;2(4):e192745. doi:10.1001/jamanetworkopen.2019.2745

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2730790

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