生活習慣病予防は0歳からー5歳未満の身体活動ガイドラインー

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将来、生活習慣病になるかどうかは、実は「出生後すぐ」からの生活習慣が重要なのです。

子どもの頃の生活習慣は、将来の肥満や生活習慣病の根本的な原因になることがわかっています。

子どもと言っても出生後すぐの新生児から成人するまでの長い間を指すのですが、

この度、WHOから5歳未満の子どもの身体活動ガイドラインが発表されました。

 

史上初の10連休も始まり、大人も子どもも生活習慣が狂いにくるっていることでしょう。

我が家もそうです。

その戒めのためにもWHOのガイドラインを紹介します。

 

大人のためのガイドラインは下の記事を読んでください。

身体活動ガイドライン2018年第2版

WHOのガイドラインで発表されたのは、5歳未満の子どもの身体活動、座っている時間、睡眠時間の推奨時間とおススメの行動です。

大体、5歳未満の子供は、身体を動かして遊んでいる(身体活動:physical activity)か、座って何かをしている(座位時間:sedentary time)か、寝ている(sleep)かで24時間のほとんどを過ごしています。(その他、入浴や食事の時間もありますが)

子どもの24時間をどのように使えばいいのでしょうか。

ガイドラインでは年齢ごとに推奨しているので、自分の子どもの年齢などと合わせて以下を参照にしてください。

最後の項目では個人的なツッコミ(愚痴)も書いてしまいましたが、良かったら全部読んでください。

目次

1歳未満の乳児のガイドライン

・1日のうち何回か、様々な活動をさせましょう

フロア(日本なら畳も〇)で親などと一緒に遊ぶのが特に良い

自分でまだ動けない場合、子どもが起きている時間に30分未満のうつ伏せをさせるのも良いでしょう(tummy time)

※tummy timeというのは、親の監視の下で子どもにうつ伏せをさせることです。頸の座りを促したり、寝返りや子どもの自発的な活動を促す効果があると言われています。日本では「うつ伏せ遊び」と言われています。必ず親が常に監視し(一時も目を離さない)、子どもが覚醒している時に行ってください。1歳未満の子どもがうつ伏せで寝るのは非常に危険です。

・1日1時間以上活動を制限するのは避けましょう

ベビーカー、子ども用いす、抱っこ紐やおんぶ紐で保護者とくっつけることで活動を制限する時間は1時間未満にしましょう。また、テレビやスマートフォン、パソコンなどをみて過ごす時間はおススメできません。座って過ごす時は、本の読み聞かせや保護者とのお話などがおススメです。

・睡眠時間は3か月までは14-17時間、4から11か月は12-16時間必要です

睡眠時間は1日の合計です。断続的に睡眠をとって推奨時間に達したら良いのです。

1から2歳のガイドライン

・様々なタイプの運動を1日に最低180分行いましょう

中強度から高強度の運動(動き回ったり、走ったり)を含めて日中を通して活動するのがおススメです。

・1日1時間以上活動を制限するのは避けましょう

0歳と同じ注意事項です。座っている時間が多すぎるのも良くありません。

・1歳はスクリーンタイムはお勧めできません。2歳も1日1時間以内にすべきです

スクリーンタイムとはテレビを見たり、スマートフォンを診たり、テレビゲームを行ったりする時間です。この年代も座っている時間は、本を読んだり保護者と話をするのがおススメです。

・質の良い睡眠を11-14時間取りましょう

もちろん、お昼寝の時間も含めます。

 

3から4歳のガイドライン

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・1日180分以上、様々な運動をしましょう

特にその中の最低60分以上は中強度から高強度の運動を行いましょう(走る、水泳、縄跳びなど)

・スクリーンタイムは1時間未満にし、少ないに越したことはありません

活動を制限するのは1時間未満にする、座っている時は本を読んだりお話をしたりするのが良いということも2歳までと同じです。

・質の良い睡眠を10-13時間取りましょう

お昼寝込みです。

 

ガイドラインを守らないとどうなるのか

ガイドラインと言うのは指針です。

このガイドラインは子どもの健康のためにおススメされる内容です。

「ガイドラインを守る」と表記しましたが、法律ではないので守らなくてもすぐに問題が起こるわけではありません

子どもに多い病気のほとんどは、子どもの生活習慣に関係ありません。そのため、子どもが病気になっても親は自分を責める必要はありません。(もちろん予防接種などによって予防できるものは親が責任をもたなければいけませんが)

ではガイドラインが何のためにあるのか。

今、移動手段の発達やスマートフォンの普及によって成人だけではなく子どもの活動が少なくなっていることが問題になっています。

最近の研究で、子どもの時の生活習慣が将来の生活習慣病と密接に関わっていることがわかってきたのです。

世界中の多くの国では、「生活習慣病」が寿命や健康寿命を害する主要な原因になっています。

子どもの時から生活習慣を気をつけておかないと、将来子どもが働き盛りになった時や、そのまた子どもを育てなければいけない時(自分の孫)に、病気で動けなくなってしまったり・・・ということが起こりかねません。

もちろん未来のことはわかりませんが。

でも、少しでも健康に長く生きられる可能性が高い方が良いと思いませんか。

健康を次世代に繋ぐ、そんな素晴らしいガイドラインなのです。

(ガイドラインが制定された社会的背景には、生活習慣病が最も経済を圧迫している・・・という事情があると思いますが)

 

その他、ガイドラインを守らないと具体的には・・・

・学童期に外で活動するよりも、屋内で座って活動をしたりテレビゲームをする時間が多くなり、健康の弊害も多い。

・10歳代での肥満につながる

・10歳代での精神的不健康な状態になる

などが報告されています。

※ガイドラインを詳しく読んだら追記します。

 

ガイドラインは本当に守れるのか

そもそも、このガイドラインは遵守できるのでしょうか。

ガイドラインには「示した全てを遂行するのが望ましい」と言ったことが書かれています。

 

さて・・・実際はどうなのか。

 

子育てをしていたらわかりますが、このガイドラインでなかなか難しい項目がありますよね。

 

「活動の制限は1時間以内とし、座っている時は本を読んだりお話をしましょう」

 

はぁっっ!!???

 

うちは0歳の時から、ベビーカーに1時間以上入れて買い物したり、ダンボ?に座らせて、いないいないばあっ!のビデオを延々見せたり、泣き出したら抱っこ紐で自分と合体させたり・・・・1歳を超えたころからスマホ動画やテレビでのアニメは当たり前。。。

1時間以内!!!???

座っている時はできるだけ読み聞かせ!!???

 

ムリムリムリムリ!!!

 

家事も何も進まへんわ。

料理・洗濯・皿洗い・掃除機・・・・その間テレビ様様ですわ!

 

というのは、忙しい日本人の共働き世帯には共感いただけるのではないでしょうか。

 

しかし、子どもと遊ぶときは思い切り遊ぶようにしています。

休日や帰宅後の少ない時間を大切に。

 

このガイドラインは様々な研究を系統的に調査して設定されているので、内容はかなり信頼できるものです。

そして、どのような人種、経済状態、家族構成においても当てはめることができ、もちろん子どもに障がいがあっても当てはまります。

子どもに障がいがある場合は、主治医などの専門家の意見を必ず聞くようにしてください。

 

引用元(ガイドライン全文pdfがダウンロードできます)

https://apps.who.int/iris/handle/10665/311664

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