ガンは先進国では死亡原因の上位を占めており、
長寿国の日本では2人に1人がガンになると言われております。
「あなたはガンですよ」と宣告されることは、
かなりのインパクトがあることだと思います。
「ガンの予防」と「ガンのリスク」は多くの人の関心事であるがために、
ガンと嗜好品に関する情報が錯綜しているのも事実です。
「チョコレートを食べるとガンを予防できる」
「焦げの食べすぎはガンになる」
など「ほんまか!!??」という情報が次から次へと出てきます。
その最たるものがコーヒーではないでしょうか。
「毎日1杯のコーヒーを飲むとガンが予防できる」
という情報や、
「コーヒーをたくさん飲むとガンのリスクになる」
という情報など・・・
一体どないやねん!!
ということで、大規模なデータでコーヒーとガンの因果関係を調べた研究を紹介します。
毎日コーヒーを飲むとガンになるのか、ガンを予防できるのか
研究はイギリスで行われ、30万人以上のデータが分析されました。
そのうちの約46000人がガンと診断されていました(約7000人が末期がん)。
以上の対象者のコーヒーの摂取とガンの発症(診断)、死亡などとの関係を分析しています。
この研究の新しいところは、メンデルランダム化による検証を行っているところです。
詳細は省きますが、メンデルランダム化とは遺伝子型によるランダム化を行うことで、観察研究でも因果関係を調べることができる研究手法です。
この研究ではコーヒー摂取に関わる遺伝子型が検証されました。
メンデルランダム化を行うことで、
「コーヒー摂取とがん発症の関係」が解析されるのではなく、
「コーヒー摂取がガンの発症に影響するか」が分かります。
「コーヒー摂取とガン発症の関係」では、コーヒーがガンに影響しているのか、ガンがコーヒーに影響しているのか、または全く別の要因(交絡因子)が影響しているのかはわかりません。
ややこしい話ですが、とりあえずこの研究では、
「コーヒー摂取がガン発症とガンによる死亡に影響するかどうか」を検証しています。
研究の結果、
コーヒー摂取とガンの発症およびガンによる死亡の間に因果関係はありませんでした。
コーヒーを飲む人がガンになりやすいという事もなく、
コーヒーを飲めばガンの予防になるという事もありません。
ガンの種類別に調べても結果は同じでした。
もちろんイギリス国内のみで調べられた研究であり、この結果が全てとは限りませんが、
テレビやネットニュースなどで報道されている「コーヒーがガンの予防になる」などの情報は鵜呑みにしない方が良いかもしれません。
反対にコーヒー好きの人は、コーヒーがガン発症のリスクを高めることはなさそうなので良かったですね。
でも飲みすぎには注意しましょう。
私はコーヒーにはたくさんの砂糖とミルクを入れてしまうので、
私にとっては糖尿病のリスクが高い飲み物ですが。
引用元はInternational Journal of Epidemiology (2018年インパクトファクターは8.36)
全文pdfがダウンロードできます。
はじめまして。
ランキングから来ました。
コーヒーとガンの関係って気になっていましたが、
飲みすぎないのが一番なんですね。
今回の記事、とても参考になりました。
okumari3さん
はじめまして!
コメントありがとうございます。
いろんな情報があるので私も気になっていました。
紹介した論文は研究の方法も掲載された雑誌もかなりシッカリしたものだと思うので、信用できる情報だと思います。
また新たな情報などあれば記事にしたいと思います。