大人になると忘れてしまうもの。
どうでもいい日本史の年号。
自分にとって都合の悪い過去。
そして母親のおなかの中にいたときの記憶です。
3歳9か月のブリちゃん。
おしゃべりがとても上手になり延々としゃべっています。
この前、急にママのお腹の中にいた時、そして生まれたときの話をしてくれました。
ギリギリ覚えている年齢なのでしょう。
よく考えたら、私たちも4歳くらいからの記憶はあるので、
母親のおなかの中にいたときの記憶は、4歳以降になると上書きされてしまうのかもしれません。
3歳後半の今しか聞けないことなのかもしれません。
「ママのお腹から出てきたときのことは覚えてる?」
「うん!覚えてるよ!」
「本当は頭から出てくるんだけど、ブリちゃんは急に出てきたの。」
そうなんです。
ブリちゃんは逆子でした。
帝王切開で産まれました。
しかし、この話は母親からブリちゃんに伝えていたこと。お腹の中の記憶と言うよりも、母親に教えてもらったことを私に言ったのでしょう。
その後の話はリアルでした。
「なんか、急にまぶしくなって、身体がふわーーっって浮いて、ドスン!って落とされたの」
「それで泣いたんだよ」
出産後に、もりガール(ママ)や助産師さんに聞いた話では、
帝王切開で取り出した直後は泣かなかったけど、
台にお尻から載せたら泣き出した。
とのことでした。
その話と完全に一致します。
小さいブリちゃんにとっては、羊水の中で気持ちよかったところ、急に取り上げられて落とされたというイメージなんですね。
「そしたらね、人がいっぱいいたんだよ」
助産師さんたちのことかな。
産まれた直後から見えてるんですね。
そして人と認識しているんですね。
不思議。
しかし、ここまでは私たちも知っていること。
誰かが話した話をブリちゃんが記憶していて、話をしてくれたのかもしれません。
ここで、大人もみんな経験しているはずなのに未知の世界である胎内のことを聞いてみたくなりました。
「ママのお腹の中にいたときのことは覚えてる?」
「うん!覚えてるよ!」
「ブリちゃんはねぇ、ずっとママのお腹の中で泳いでたんだよ」
へぇ~~。やっぱりそうなのね。
「お魚みたいな感じ?」
「ちょっとちがうよ。だって動きにくいんだもん」
胎盤と繋がってるからね。
もっと動きたかったんやね。
「ブリちゃんはね、急にさかさまになったの。」
はい。そうですね。
それはアナタがお腹の中にいるときに私たちが夫婦2人で温泉に行ったんですよ。
その時に二人ではしゃいで家族ぶろで泳いだんですよ。
きっとその時にひっくり返ったんだと私たちは認識しております。
はい。ごめんなさい。
温泉旅行の後の検診で「あれ??逆子になってる」と言われました。
そしてブリちゃんは、
「もとに戻りたかったんだけど、全然戻れなくって嫌だった」
らしいです。
はい。ごめんなさいね。
ママもがんばったんですよ。
逆子体操とか毎日やってね。
でも戻らなかった。
結局帝王切開になりました。
「ママのお腹の中はどうだったの?」
「テレビがあってね、とっても良かったよ」
テレビ!!!
なんじゃそりゃ。
今どきの胎内にはそんなものがあるのか。
テレビがあれば超音波検診で映りそうやけどな。
それなら、プロジェクションマッピングでもやってたのか。
すごいぞ平成生まれ。
まぁ・・・産まれてからの楽しい記憶と混ざってそうですね。
そして、帝王切開なので予定日よりも少し早く生まれてきました。
「もっとママのお腹にいたかった?」と聞いてみたら、
「ううん、早く出たかったんだよ」
そうですか。
これでインタビューを終わります。
また4歳になったら聞いてみたいと思います。
産まれて来てくれてありがとう。