握力が弱い人は病気のデパートになる

Pocket

 目次

1.星の数ほどある握力の研究

 

握力。

それはとても身近でありながら、

奥の深いものなのです。

 

そう、このブログのように。

 

なんてね。

 

 

握力はどれくらいありますか?

60㎏くらいあればリンゴがつぶせます。

80㎏くらいあればパイナップルがつぶせます。

 

もったいないので、つぶさないでください。

握力に関わる研究は星の数ほど存在しています。

握力が高いと全身の筋肉量が多い。

と言ったものから、

握力が高いと寿命が長い。

という壮大なものまで。

 

握力は簡単に測れるから重宝するのでしょうね。

同じような指標に腕立て伏せもあります。

良ければこちらの記事もどうぞ。

腕立て伏せがたくさんできる人は心臓病にならない?

 

この記事は握力がテーマ。

 

握力の世界にまたしても踏み込んだ輩がいるので、

その研究を紹介します。

 

テーマは握力は病気の発症と関わっているのか?

です。

しかし、そんな研究は数多くあります。

 

今日紹介する研究は、病気と言っても複数の病気の発症と関わっているかを調べています。

2.握力が弱いと病気のデパートになる?

 

中高年になると、いろんな病気にかかりますね。

私の周りの中高年も病気のコレクションを自慢しています。

 

カルテに病気がずらりと並んだ、病気のスーパーマーケットの人もいれば、

脳卒中や心臓病などバロンドールクラスの病気をコレクションした、

病気のデパートの人もいます。

 

そんな複数の病気の発症と握力が関わっているのでしょうか。

言ってみれば、握力が弱い人は病気のデパートになるか?という仮説を検証しています。

 

そして、もう一つこの研究には新しいところがあります。

対象が低から中所得国の人なのです。

医学の研究の多くは欧米やオーストラリア、日本、最近では中国やインドから発信されています。

いわゆる高所得国です。

しかし、今後世界をリードするのは先進国ではありません。

世界を支えるこれからを担う国々のデータには非常に価値があります。

 

集めたデータは、

低から中所得国の50歳以上の男女3万人以上です。

 

握力と病気の発症

のデータを収集。

 

病気は次の11種目です。

狭心症、関節症、喘息、慢性腰痛、慢性肺疾患、糖尿病、歯の欠損、聴覚障害、高血圧、脳卒中、視覚障害

です。

ちょっと謎のラインナップ・・・。

途中までよかったんやけどな・・・。

歯の欠損?視覚障害??

 

 

気を取り直して、

握力の弱い人と強い人で病気の発症にどれだけ差があるのでしょうか。

 

この研究では握力の弱い人を、

男性30㎏未満

女性20㎏未満

としています。

 

よかった・・・。

私は握力が弱い人じゃなかった・・。

男か女かはわかりませんが。

 

私の話は置いておいて、

握力の弱い人はどれくらい病気が発症しやすいのでしょうか。

握力が弱いと、強い人と比べて・・・

病気1つだと1.22

病気2つだと1.29

病気3つだと1.41

病気4つだと1.78

なりやすかったのです。

 

おいおい・・。

病気の数が増えるにつれて、握力との関係が強くなっている・・。

握力が弱いと、病気のデパートになりやすいということですね。

 

視力障害や聴力障害と握力が関係していることが、

何の意味があるのかはわかりませんが・・・。

 

握力と言うのは、簡単に測れて数値もわかりやすいので、

とっても使いやすい指標なんですね。

これからもいろんなデータが出てくることでしょう。

私も握力で論文を出してみようかな。

 

引用元は、

Vancampfort, Davy, et al. “Handgrip strength, chronic physical conditions and physical multimorbidity in middle-aged and older adults in six low-and middle income countries.” European Journal of Internal Medicine (2018).

以下からAbstractのみ無料です。

https://doi.org/10.1016/j.ejim.2018.11.007

 

 

新しいタイプの手の痛み用サポーター

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA