一昨日の夜は、「コロナ退散花火」が我が家のベランダからも見えました。
娘は、「もう終わり?」などと言っていましたが、
住宅の合間から貴重な花火が見え、何かいいことが起こりそうな気がします。
花火師さんたち、ありがとう。
まだまだ新型コロナウイルスは収束しそうにありませんが、
「新しい生活様式」なるものが発令され、
「もう元には戻れないんだ」と誰もが思いつつ、
「どうにか元通りの生活がしたい勢」もいる中、ますます世の中はカオスになりつつあります。
混沌としておりますが、
「コロナちゃんとはうまく付き合っていかなければいけない」
「感染予防をしながらも、様々な活動をしていかなければいけない」
というのは多くの人が思っているのではないでしょうか。
「新しい生活様式」の中で声高らかに叫ばれているのが、
ソーシャルディスタンス(社会的距離)
そして、
マスクの着用
です。
最近ではフェイスシールドなるものも登場しております。
果たして新型コロナウイルスの感染予防に本当に効果があるのでしょうか。
社会的距離、マスク、アイシールドはCOVID-19の感染予防に効果があるか
2020年6月1日にLANCETに掲載されたメタアナリシスです。
Twitterでも多くリツイートされてたので世界中で注目されている論文です。
新型コロナウイルス(COVID-19)、SARS、そしてMARS患者を対象にしたRCT(無作為化比較試験)の論文を解析対象にしています。
172論文がシステマティックレビューの対象となり、
44論文がメタアナリシスの解析対象となりました。
この論文では、SARS、MARS、COVID-19のヒトヒト感染が、社会的距離の長短、マスクの有無、アイシールドの有無で違うかどうかを検証しています。
メタアナリシスですので3種のウイルス全てを統合した結果が示されますが、フォレストプロット(メタアナリシスの結果の表)を見るとCOVID-19だけでも解析されてました。
以下には全ウイルスでの結果とCOVID-19の結果をそれぞれ載せておきます。
まず、社 会 的 距 離を保った方が良いのか。
社会的距離を1m以上保った場合と1m以下の場合で比較しています。
社会的距離を保つと、
全ウイルスでの解析の場合、0.3倍
COVID-19では0.15倍
の感染リスクとなりました。
MARSのみでは社会的距離の違いによる統計学的な有意な結果は出ませんでした。
COVID-19では社会的距離を保つことがとても大切だという事ですね。
この論文でもエビデンスレベルは「中等度」となっています。
次にマスクの有無です。
全ウイルスでの解析の場合、マスクをしている場合の感染リスクは、してない場合の0.35倍となりました。
COVID-19だけでは論文数が少ないためか検証されていませんが、COVID-19を対象にしたどの研究でも、0.03-0.05倍でした。
メタアナリシスの結果ではないので、「エビデンス(根拠)」とまで言えませんが、COVID-19の感染に対してマスクは重要である可能性が高いですね。
論文でのエビデンスレベルは「低い」となっています。
そしてアイシールドです。
アイシールドはフェイスシールドの一種で、顔の上半分を覆い隠すものです。
こんなやつ。ちょっと怖い。けどカッコイイ・・・??
こちらはCOVID-19に関してはデータがなく検証できていません。
ただ、SARSとMARSではアイシールドをしている場合、していない場合の0.34倍の感染リスクでした。
エビデンスレベルは「低い」でした。
論文の結果を見てもSARSとCOVID-19は似て非なるものという感じです。
感染しやすさは良く似ていますが、
病原性や潜伏期間の違いが感染の広がりやすさの違いになっているのかもしれません。
以上をまとめると、
新型コロナウイルス感染症の予防には、
社会的距離は1m以上保った方が良い。
マスクもおそらく着用した方が良い。
アイシールドは良さそうだけど、わからん。
といったところでしょうか。
暑くなってきました。
正直、マスクをして自転車で駅まで通勤とか死にそうになります。
社会的距離を取りつつ、電車内やお店の中、学校内など人のいるところではマスクをして過ごすというのが、夏でも常識と言うことになりそうですね。
そんなことを裏付ける論文でした。
ちなみに下のような、N95マスクだと・・・
全ウイルスで0.04倍、
COVID-19で0.002倍まで感染リスクが下がるという結果です。
苦しいだけあって感染リスクを減らす効果はあるんですね。
引用元(全文読めます)
https://doi.org/10.1016/S0140-6736(20)31142-9
最近はマスクも値段が下がってきました。