21.5
私の今のBMIです。
BMIと言うのは、Body Mass Indexの略で身長あたりの体重を表したものです。
正確には、体重(㎏)/ 身長(m)^2(身長の2乗)
で求めます。
体格を表す指標であり、
18未満がやせ、20-22が標準です。
日本人はやせが多く肥満が少ないですが、欧米人は肥満がものすごく多いので、少し基準が違います。
日本では大体BMI26以上が肥満とされますが、
欧米では肥満の基準はBMI30です。
ちなみに日本人なら標準のBMI22でもなかなか体格は良いと感じます。
BMI30を超えると日本では巨漢です。
外国ではただの肥満ですが・・。
さて、あなたのBMIはいくつでしょうか。
世界的に肥満が問題になっており、
肥満は糖尿病、心臓病、脳卒中、認知症、ガン・・・・
などいろいろな病気の他、膝や腰に負担がかかって良いことがありません。
肥満が健康に害があるのはわかっているのですが、
実は健康以外にも肥満の弊害があることが分かってきました。
この記事で紹介する研究は、肥満と仕事に関係する論文です。
太っていると職を失う?
研究はデンマークで行われました。
他の訪米諸国同様、肥満が問題になっています。
Danish National Health Survey 2010という研究プログラムのデータ約87000人分が解析されました。
検証したデータはBMIと仕事について。
仕事についてのデータは、2010年から5年間追跡した以下のデータを分析しています。
仕事があるか、失業の状態か。
病気で欠勤していないか。
この研究ではそれぞれ次のように定義されています。
「失業中」・・失業手当などの仕事がない人に対する社会保障を受け取っている人。
「病気での欠勤」・・自分の健康上の理由で欠勤しており、傷病手当などの社会保障を受け取っている人。
つまり、専業主婦・主夫などは失業中に当てはまりません。
では、肥満と仕事との関係はどうなのでしょうか。
まず、この研究データの肥満の割合から。
BMI18.5未満のやせ・・1.5%
BMI18.5以上25未満の通常体重・・50.6%
BMI25以上30未満の太り気味・・34.3%
BMI30以上35未満の肥満・・10.2%
BMI35以上の重度肥満・・3.5%
「やせ」より「重度肥満」の方が多い・・・
日本では「やせ」がかなり多いのでビックリですね。
では、仕事とBMIの関係は・・・
(この研究はコックス比例ハザードモデルを用いています。)
仕事をしているのに失業してしまうリスクは・・・
通常体重の人に比べて、肥満の男性は1.14倍、肥満の女性は1.18倍
通常体重の人に比べて重度肥満の男性は1.33倍、重度肥満の女性は1.18倍
肥満だと仕事を失う危険が高くなることが分かりました。
ちなみに、通常体重の人に比べて、やせの男性は1.45倍、やせの女性は1.14倍ですので、「やせ」も仕事を失う危険が高いことが分かります。
次に、仕事をしているが病気で欠勤してしまうリスクは(通常体重と比べて)・・・
太り気味男性では1.12倍、肥満男性では1.29倍、重度肥満男性では1.51倍
太り気味女性では1.16倍、肥満女性では1.35倍、重度肥満女性では1.45倍
やっぱり太っていると病気になりやすく欠勤してしまう危険が高いようです。
ちなみにやせの女性は0.82倍と病欠のリスクが減ることが分かっています。
やせの男性は通常男性と差はありませんでした。
次に失業者が仕事に就くことができる割合は、通常体重の人に比べて、
重度肥満女性で0.76倍と低くなってしまうことがわかりました。
女性の場合、太りすぎていると仕事に就きにくくなるということです。
まとめると、肥満によって病気により欠勤する危険が高く、さらには仕事を失う危険も高い。そして、仕事に就きにくくなる。
という事が分かりました。
なぜ肥満だと職を失ったり、職に就けなかったりするのでしょうか。
その理由は主に健康上の理由だと思います。
海外では従業員の健康が企業の利益につながるという考えが浸透しています。
そのため肥満により健康を損ねたり、損ねる可能性がある場合、仕事にも影響してくるのでしょう。
このデータはデンマークで行われた研究によるものです。
そのためすぐに日本に当てはまるものではないと思います。
しかし、「健康」というのは最も大切な個人の資産であることは変わりありません。
ただ、「karoshi」の生まれ故郷である日本は、別の観点からの健康増進が必要かもしれません。
さて、まずは体重の管理からやりましょう。
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