タバコとお酒で脳細胞の破壊が進む

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お酒とタバコが組み合わさると脳のある部分に影響があるらしい・・・。

2019年3月に発表された論文の紹介です。

 

卒業式&歓送迎会シーズン。

お酒を飲むことも多くなる時期ですね。

タバコが好きな人は、お酒が好きなことも多く、

お酒の席では特にタバコを吸いたくなる人も多いでしょう。

お酒もタバコも量が多いと健康を損なうことは良くわかっています。

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では、タバコとアルコールが組み合わさるとどうなるのでしょう??

 

ACS Chemical Neuroscienceという学術誌に発表された論文。

ブラジルのポルトアレグレにあるリオグランデ・ド・スル大学という大学で行われました。

ブラジルの前大統領の出身大学らしい。

 

研究では、ラットを対象にタバコとアルコールが脳へ及ぼす影響を調べています。

ラットは次の4つのグループに分けられました。

・何もしないコントロール群

・アルコールを摂取するアルコール群

・タバコによるニコチンを摂取するタバコ群

・アルコールとたばこの両方を摂取するアルコールタバコ群

人間もこの4群に分かれますよね。

 

タバコ摂取は6本分のタバコをモクモクさせたお部屋に入れられるラットちゃん。

アルコール摂取は体重1㎏あたり2gのアルコールを注射器で口から入れられるラットちゃん。

 

これを1日に2回、4週続けます。

 

人間に換算しても、特に多い量ではなさそう。

 

28日目にラットちゃんは安楽死させられ、解剖されます。

 

かわいそう・・・。

こういう研究はとても重要だけど、自分ではできひんなぁ。

 

解剖されて、脳を細かく調べられています。

 

調べられた脳の場所は、海馬、線条体、前頭葉です。

海馬は記憶のスペシャリスト

線条体は運動や認知に関する縁の下の力持ち的なやつ

前頭葉は運動と精神機能の元締め

 

それらの脳の部位を調べた結果、

アルコールタバコ群では他のグループに比べて次のような違いがありました。

 

・海馬の酸化ストレスレベルが高い。

・線条体と前頭葉(特に前頭葉)で炎症サイトカイン(炎症反応)が高い。

・前頭葉のBDNFが減っている。

BDNFというのは、Brain derived neurotropic factor(脳由来神経成長因子)の略で脳の中の神経線維が成長したり増えたりするのを助けると言われている物質です。

 

この研究の結果、

タバコとアルコールが揃うと、海馬が高い酸化ストレスにさらされ、脳が全体的に炎症状態となっていることがわかりました。

酸化ストレスや炎症反応は神経細胞を損傷する可能性があります。

また、BDNFの減少は、神経の修復や再生を妨げることになります。

 

喫煙者がアルコールを飲むと、脳の神経を損傷するリスクが高まると結論付けています。

 

お酒とタバコの両方を好きな人。

すぐに神経線維が破壊されるわけではありませんが、ジワジワと破壊されているのかもしれません・・・。

前頭葉、海馬、線条体・・・認知症に関係するところばかりです。

アルコールとお酒は、認知症の発症や進行を早めるかもしれませんね。

 

怖い怖い。

気をつけて。

 

引用元

A. Quinteiros, Dayane, et al. “Combined use of alcohol and tobacco smoke change oxidative, inflammatory, and neurotrophic parameters in different brain areas of rats.” ACS Chemical Neuroscience (2019).

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