子どもの血圧を上げる胎児期の環境

Pocket

子どもがお腹にできた時から、生まれてから数か月まで、

 

家族、特にお母さんはいろいろなことに気をつけますよね。

 

アルコールやタバコはもちろん、

細菌に感染しやすいものをなるべく避けたり、

体温が下がることを避けたり、

 

医学的知識がなくても、自然とそのようにして子どもを守るのには本能的で神秘的な何かを感じます。

 

お腹の中に新たな生命が生まれ、外界に出て1歳になるまでの約2年間は人生で最も変化が大きい時期です。

逆に言えばその後の人生を大きく左右する時期なのでしょう。

 

では妊娠中や出産直後に、

いったいどのようなものが子どもに影響を与えるのでしょうか。

 

胎児期および新生児期に子どもが曝らせる環境とその後の子どもの血圧に関する研究が発表されたので紹介します。

 

子どもの血圧を上げる環境とは

 

ヨーロッパ在住6-11歳の1277人の収縮期(最高)血圧と拡張期(最低)血圧が調べられました。

胎児期や新生児期に過ごした環境についても調べられました。

 

胎児期と新生児期の環境が、小児期の血圧にどのような影響があったのでしょうか。

 

小児期の収縮期血圧を上げる環境

・妊娠中の外気温

・妊娠中の魚の摂取

・喫煙(周囲の人による)

・ペルフルオロオクタン酸(塗料などに使われていたもの)

 

小児期の拡張期血圧を上げる環境

・母体へのビスフェノールA(樹脂などに用いられる)

・妊娠中の魚の摂取

・新生児の銅の摂取

 

小児期の収縮期血圧を下げる環境

・新生児へのPCB

・新生児へのDDT

・ヘキサクロロベンゼン(殺菌剤に使われていた)

 

小児期の拡張期血圧を下げる環境

・新生児へのDDT

 

子どもの頃に血圧が高い人は、将来年を取った後も血圧が高いことがわかっています。

生活習慣病予防は子どものころから始まっているのです。

この研究では子どものころと言っても、胎児期や新生児期に過ごす環境で10歳になったころの血圧が変わることがわかりました。

胎児期や新生児期は自分ではどうすることもできず、

子どもの成長は全て親にかかっている時期です。

 

いくつかの化学物質がその原因としてわかりました。

今はほとんど規制されているものばかりですが、昔の住宅などには使われているかもしれません。

 

また喫煙ももちろん血圧を上げる原因です。

 

しかし、親の魚の取りすぎが子どもの血圧を上げるというのはどういう事でしょうか。

肉が原因として抽出できなかったということは、魚の脂が影響するのかな。

でも魚から摂れるオメガ3はとても大切だという事もわかっています。

 

どうしたらいいのかわかりませんね。

 

とりあえず、将来の血圧を決める要因はもしかしたら胎児期にあるのかもしれないという研究結果でした。

 

引用はJACCの論文からです。

Warembourg, Charline, et al. “Early-life environmental exposures and blood pressure in children.” Journal of the American College of Cardiology 74.10 (2019): 1317-1328.

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA