休日の寝だめは健康に対する効果があるのか?

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週末の寝だめは健康に効果があるのか??という研究の紹介です。

 

睡眠不足が続く毎日。

週末に寝だめをする人も多いのではないでしょうか。

私もその一人です。

 

寝だめって、とっても気持ちいい。

良質な睡眠が健康には大切と言われていますが、

寝だめは健康に良いのでしょうか?

 

Current Biology(カレントバイオロジー)という学術誌の論文からです。

アメリカのコロラド大学ボルダー校で行われた研究。

 

健康な若い人を対象に3つのグループに分けました。

1つ目は、9時間の睡眠時間が与えられるコントロール群(8名)。

2つ目は、睡眠を5時間に制限される睡眠制限群(14名)。

3つ目は、平日の睡眠を5時間に制限されるが、週末に好きなだけ寝れる寝だめ群(14名)。

研究はどの群も、ベースライン測定を3日間(どの群も9時間寝る)ののち実験開始し、平日5日間→休日2日間→平日3日間のプロトコルで行われました。

 

まず、睡眠制限群と寝だめ群は実験開始後、平日の睡眠は5時間になります。

すると・・・・

ベースラインと比べて、夕食後のカロリー摂取量が増え、体重が増加しました。

 

夜更かしをすると摂取カロリーが増えて体重が増えるから、生活習慣病になりやすくなるんですね・・。

確かに夜更かしするとたくさん食べてしまうかも。

 

そして、実験は休日になります。

睡眠制限群は引き続き睡眠時間5時間。

寝だめ群は週末に1.1時間以上余分に寝ることができました。

 

すると、寝だめ群は平日と比べて夕食後のカロリー摂取量が減り、体重が減少しました。

 

カロリー摂取は睡眠時間と関係するのですね。

 

痩せたい人はたくさん寝ましょう。

というか、早く寝ましょう。

 

しかし・・・その後、再び平日になると・・

 

休日に寝だめをした分、体内時計がずれます。

時差ぼけみたいな感じですかね。

体内時計のことを正確にはサーカディアンリズム(概日リズム)と言います。

人間を含む動物には24時間周期のリズムがあります。

何のリズムかというと、自律神経や内分泌系(ホルモン)などです。

そのため、夜になると眠たくなり朝になると活動的になるのです。

 

研究の話に戻ると、

休日に寝だめをした人たちは次の平日になると、サーカディアンリズムがずれてしまい、結局カロリー摂取が増えて体重も増えました

休日の寝だめは、カロリー摂取を増やすことに変わりはないという結論です。

 

そして、睡眠制限群では睡眠不測の時、全身のインスリン感受性が低下しました。

 

インスリンと言うのは血液中の糖分をエネルギー源として使うために、筋肉や肝臓などに取り込む作用のあるホルモンです。

インスリン感受性が「高い」と、糖がせっせと使われます。

つまりインスリン感受性が高いということは、エネルギーを消費し血糖値は下がるということになります。

 

睡眠不測は、インスリン感受性を弱めるのです。

 

インスリン感受性が弱くなると血糖値が高くなる。

すなわち糖尿病です。

 

睡眠不足は糖尿病の原因になり得るということですね。

 

ではそれは寝だめで解消できるのでしょうか?

 

寝だめ群では、週末に寝だめをした後、再び平日になり睡眠が制限されます。

その時・・・全身、肝臓および骨格筋(筋肉)でのインスリン感受性が低下しました。

しかもその低下の度合いは、単純に睡眠が制限された群よりも大きい人もいました。

 

あらら・・・。

 

最終的な結論は、

寝だめをしても体重は増えるし、インスリン感受性が減る。

 

すなわち寝だめは糖尿病や生活習慣病を予防する効果はない。

 

ということです。

 

睡眠って本当に大事なのですね。

 

平日からしっかり寝て、休日も同じように寝るのが一番いいのでしょう。

 

という記事も夜更かしをしながら書いています。

おやすみなさい。

引用元

以下のリンクで全文読めます。

Depner, Christopher M., et al. “Ad libitum Weekend Recovery Sleep Fails to Prevent Metabolic Dysregulation during a Repeating Pattern of Insufficient Sleep and Weekend Recovery Sleep.” Current Biology (2019).

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