不要不急ではない中年期のウォーキング

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ステイホームの年末年始が終わっても、なお増え続ける感染者数。

それとは別に増え続けているものがあります。

 

私の体重です。

 

2回目の緊急事態宣言が出された頃、

体重もこれ以上の爆発的増加を押さえるために、私独自の緊急事態宣言が発令されました。

職場でのお菓子の自粛と21時以降の食事の自粛および1日30分以上のウォーキングです。

感染者数はまだ結果が出るまでに時間が かかりそうですが、1日30分歩き始めてから、1週間ほどて体調は良くなってきました。

やっぱり運動は良いんですね。

 

もうすぐ若者と呼ばれなくなる年齢に差し掛かるので、これから運動はちゃんと習慣づけておいたほうが良さそう。

 

運動していると良いことはわかっているのですが、ここ最近、さらに具体的にいろんな研究結果が報告されています。

今年に入ってNeurorogyに掲載された論文をひとつ紹介します。

不要不急ではない中年期のウォーキング

 

紹介するのはアメリカで行われた研究。

中年期の運動が老年期の脳にどんな影響があるのかを調べています。

中年期にアンケート調査で身体活動量を調べ、老年期になった25年後にも調べています。

はじめに身体活動量を調べたときから25年後、つまり老年期の評価ではMRIによって脳の白質や灰白質の状態についても評価しています。

白質というのは脳の内側で灰白質というのは脳の外側です。

 

老年期の活動量と多くの脳の指標には関連がありました。

これは今までの研究結果を裏付けるものです。

活動量を2回測定していますが、この研究の主題はおそらく一回目(中年期)の活動量と老年期の脳の状態の関係を調べることです。

では、その結果はどうだったのでしょうか?

参加者は1604人で55%が女性、27%が黒人、1回目の評価での平均年齢は54歳でした。

1回目の評価の時、余暇時間の中強度から高強度の活動量が

ほとんどない人34%

少ない人11%

普通の人16%

多い人39%

でした。

余暇時間の活動量というのは、仕事中や通勤、家事ではなく、プライベートな時間での活動量のことです。

最近、仕事ではなく楽しみで運動することが大切だという研究結果がちょいちょい注目されています。

中強度活動というのは歩く程度、高強度活動とは走る以上の活動です。

 

 

余暇時間の活動量とその25年後の脳の状態の関係はというと、

余暇時間の身体活動が「多い」人は、「ない」人に比べて

25年後に脳の白質に傷がついていない(病変がない)人が多いことがわかりました。

その結果に加えて、ラクナ梗塞を発症する割合が、0.68倍という結果も出ました。

ラクナ梗塞と言うのは、脳の小さな血管が詰まる脳梗塞のことです。

無症状なことも多いですが、多発すると身体機能や精神機能に影響が出てきます。またラクナ梗塞を発症している人は、そのうち脳の大きな血管で脳梗塞が起こることも多いです。

若い時(中年の時)に、たくさん身体活動をしていた人は、

高齢になってからの脳梗塞発症が少ないという結果です。

一方、中年期の活動量と、高齢での脳の灰白質の大きさには関係がありませんでした。

 

中年期の余暇時間にたくさん活動をしている人は、高齢期での神経線維の損傷や血管の病変を予防できると結論付けています。

 

日本人の健康寿命を害する原因の1位は脳血管障害です。

(死因の1位ではありません)

 

外出自粛期間が続きますが、ウォーキングなどの運動をしっかりすることが将来の健康のためには不要・不急ではない活動になるでしょう。

 

「不要不急でない」って、2重否定みたいでわかりにくいですね。

「必要」ってことです。

 

さて、がんばって私も歩きます。

 

引用元は以下の論文

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