嫌なことがあった時、
苦しいことが続くとき、
何もうまくいかない時、
自分を見失うほど忙しい時、
孤独を感じるとき。
誰でも一度は死にたくなることってありますよね。
死にたいとまで思わなくても、自分を傷つけたりしたくなったりすることもあるでしょう。
自殺に関する思考をしやすい人というのは、いろんな観点から明らかになっていますが、
実は、「運動」も自殺を減らすために有効な手段なのです。
海外では「運動」の効果として最初に挙げられるのは「うつ病」「不安」の軽減なのです。
それほど、運動とうつ病や自殺に関する研究が盛んにおこなわれています。
この記事では、握力と自殺思考の関係について検証した研究を紹介します。
握力についても研究は盛んにおこなわれています。
このブログでも以前に握力と病気に関する研究を紹介しました。
運動と同様、握力も自殺思考と関係しているのでしょうか・・。
自殺願望と握力の関係は?
アメリカのNational Health and Nutrition Examination Surveyという研究で集められたデータからアメリカ人の成人のデータが解析されました。
握力は握力計で測った最大値を用います。
自殺願望は次のように定義されています。
「過去2週間に死んでしまった方が良い、または自分を傷つけたいと思ったことは何回ありますか?」
という質問に対し、対象者は「全くない、数日、半分くらいの日、ほとんどの日」のどれかに答えています。
この研究では「全くない」と「ある(その他)」に分けて解析されています。
さて、男女別、年齢別に握力と自殺願望の関係が分析されました。
それぞれのオッズ比を計算したところ、
男性では、握力が5㎏上がる毎に16%ずつ自殺願望が下がりました。
特に20-30歳代(17%ずつ)、40-64歳(27%ずつ)ではその割合が大きいことがわかりました。
一方、女性では握力と自殺願望に関係はありませんでした。
なんと・・!!
男女で違う結果に・・。
運動による抑うつの改善効果は男女ともに明らかになっているのに、
この握力の違いは何なのでしょう。
握力は全身の筋量を反映するとも言われています。
男性は筋肉量が自殺願望や抑うつ気分に影響するという事なのでしょうか。
女性は筋肉量と言うよりも運動そのものが影響するのでしょうか。
そこまではこの研究では明らかになっていませんが、
握力の新しい可能性を示していることには間違いなさそうです。
体重と一緒に握力も毎日測ってみてはいかがでしょうか。