シフトワークがガンをつくる

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今日は日勤、今日は夜勤・・・。

 

というように仕事が不規則だと疲れますね。

 

 

最近、三交代勤務などのシフト制の労働が労働者に与える悪い影響を調べた研究が増えました。

 

シフト労働がストレスになり病気をもたらすというものです。

 

 

ではストレスとは何なのか。

身体の中で一体何が起こっているか。

そんなことを調べた研究がアメリカで行われました。

この論文です(無料で見れるのは抄録だけ)。

 

マウス(ネズミ)を使って、細胞レベルでの変化を観察したのです。

肺腺ガンという肺にできるガン(もちろん人間にも多い)に関する遺伝子を調べています。

 

ヒトを含む動物には概日リズム(サーカディアンリズム)というものがあります。

簡単に言うと1日のリズムです。

日中は起きて活動し、夜は寝て休む。(逆の人もいるかもしれません)

そんなリズムです。

 

研究の結論を言うと、そのリズムが崩れるとガンが進行するというものでした。

 

細胞が分裂するときに少し間違いが起こったりしてガン細胞ができます。

どんな動物でもガン細胞ができるのです。

 

 

1日のリズムが正常なマウスではガン細胞がしっかりと退治されました。

しかし、リズムが狂っているマウスではガン細胞が増殖したり元気になったりしてガンが進行したのです。

 

1日のリズムが狂うとガンが発症したり、進行して予後が悪くなったりすることがわかりました。

 

 

シフトワークなどで不規則な生活を強いられている人がガンになる可能性が高いことは以前から言われていました。

1日の生活リズムが細胞の正常な増殖に関わっていることが分かったのです。

「心理的ストレス」はもちろん病気の発症に関わります。

しかし、概日リズムのようなそれ以外の要素も多くかかわっていることが今後どんどんわかってくるのだと思います。

 

 

この研究では「概日リズムの乱れ」が問題視されています。

 

以前勤めていた病院では、事情があって「夜勤専門」の看護師がいましたが、

それはそれで概日リズムは乱れないので良いのかもしれません。

 

引用元論文

Papagiannakopoulos, Thales, et al. “Circadian Rhythm Disruption Promotes Lung Tumorigenesis.” Cell Metabolism 24.2 (2016): 324-331.

 

 

 

 

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