人間の身体。
知れば知るほど神秘的で不思議なことばかり。
月経(生理)も人間が備える神秘的な機能。
24時間周期(正確には大体25時間周期らしいですが)のものはたくさんありますが、
月が地球を一回りする周期でコントロールされているって不思議。
月経を含む一連の機能は子どもを作るためには必要なサイクルですが、
大体50歳代前後で月経は起こらなくなります。
それを閉経(menopause)と言います。
閉経を境にホルモンバランスが変化して、人間はさらに成熟へと向かうのです。
生殖可能年齢を超えても寿命が尽きない動物は、人間とその他一部の哺乳類のみです。
それもまた神秘。
さて本題です。
何でもそうなんですが、
閉経の年齢には個人差があります。
ただ、40歳未満で閉経するというのは少し早いと言われています。
現在、世界中で最も人を悩ましている病気は心血管疾患(心臓病・脳卒中)です。
最新の研究で閉経年齢と心血管疾患の発症に関係があることがわかりました。
閉経が早いと心血管疾患になりやすい?
閉経が早いのには、大きく分けて2つ理由があります。
1つは何らかの病気などが原因で卵巣を手術で摘出した場合。
もう一つは、卵巣摘出術を受けていないが自然に閉経した場合です。
40歳までで閉経した人と、そうでない人で心血管疾患の発症に差があるかが調べられました。
研究はイギリスで行われました。
研究開始時に40-69歳のすでに閉経している人144,260人が研究に参加しました。
平均7年間、参加者は追跡され心血管疾患や高血圧、糖尿病などの病気になるかどうかが調べられました。
この研究での心血管疾患は、
虚血性心疾患(心筋梗塞と狭心症)、心不全、動脈硬化症、僧帽弁閉鎖不全、心房細動、脳血管疾患、末梢動脈疾患、静脈内血栓
です。
さて、どれくらいの人が心血管疾患になったのでしょうか。
閉経年齢が早くなかった人は、
1年間1000人当たりで5.7人
40歳未満で自然に閉経した人は、8.8人
40歳未満で手術で閉経した人は、11.3人
が心血管疾患を発症しました。
年齢や心血管疾患になる他の要因やホルモン治療など、影響を与えそうな原因で調整すると、
閉経と心血管疾患の発症の関係は次のようになりました。
閉経が早くない人に比べて、
40歳未満に自然に閉経した人は、1.36倍
40歳未満に手術で閉経した人は、1.87倍
心血管疾患になりやすいことがわかりました。
この差は喫煙や食生活、運動不足などと比べてあまり大きくありませんが、
それでも閉経が早いと心血管疾患になるリスクが少し高いと言えそうです。
この研究はJAMAに掲載された研究です。
論文では閉経が早いと心血管疾患になりやすい理由について、「今後の研究が必要である」と述べています。
分からないということですね。
とりあえず、閉経が早かった人、卵巣摘出術を受けた人は、
喫煙や運動や食事などの生活習慣により気をつけた方が良さそうです。
引用元