暑い季節になりました。
が、梅雨真っ盛りで本格的な夏はまだもう少し先のこと。
この季節は自宅や職場などで、
冷房をつける or つけない
冷房の温度が低い or 高い
の論争が繰り広げられているのではないでしょうか。
私が大学で授業をしていても「暑い」とか「寒い」とか学生によって意見もまちまち。
できるだけ効率よく学習できる環境をと思っても、学生によって差もありキリがありません。
授業をしている私はずっと一人で汗をかいていますが。
この記事では、男女で認知機能が働きやすい温度に違いがあるかという研究論文を紹介します。
冷房が効いた部屋は男性に有利??
研究はドイツで行われました。
学生543名を対象に、16℃から32℃まで様々な室温でいくつかのテストを行いました。
テストの内容は、
数学・・2桁の数字5個を足し算する課題 時間内にできるだけたくさん。
言語・・与えられた10文字で時間内にできるだけたくさんのドイツ語の単語を答える。
認知反応課題(CRT)・・心理学などで使われるIQを測ったりするための課題。
の3課題です。
それぞれの課題を様々な室温の部屋で行い、そのパフォーマンスを男女で比べています。
まず各テストの結果の男女差について・・・
数学と認知反応課題は男性の方が結果が良く、言語は女性の方が結果がよかったのです。
男性と女性で若干の得意分野の違いがあるようです。
そして、室温の差によってそれらはどのように変わったのかと言うと、
それは驚きの結果でした。
数学と言語の課題については、
男性は室温が低い方が、
女性は室温が高い方が良い結果が出ました。
認知反応課題については室温の変化との関係はありませんでした。
しかし、数学と言語についてはとてもきれいな結果に。
何と、女性は32℃の部屋で最もパフォーマンスが高く、
男性は16℃の部屋で最もパフォーマンスが高かったのです。
いったい何度に設定したらよいのでしょうか・・・。
ますます困りましたね。
この男女差の違いの理由はわかりません。
わかりませんが、代謝の違い(骨格筋量の違い)などが影響しているかもしれません。
男子の方が熱を作りやすく、低温から高温への適応はしやすいということですね。
しかし、それは私の考察なので実際はわかりません。
とりあえず、男女で学習に適した環境温が違いそうだということはわかりました。
それにしても、ドイツで行われた研究なので32℃でもたいして暑く感じないのでしょうが、
日本で32℃っていうと湿度が高すぎてとてもとても勉強をする環境ではありませんね。
やっぱり冷房をつけましょう。
引用元はこちらPlos Oneからです。
この記事でジェンダーに関する論文を紹介しましたが、
「男は・・」「女は・・」という男女二元論に基づく議論を促すつもりはありません。
様々な考えがあると思いますが、
私は「男女二元論」には否定的な立場であり、
性別も男性と女性のみとは考えておりません。