大人は女の子の痛みの訴えを軽く見る

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男の子なんだから・・・・

女の子なんだから・・・・

 

「男の子」と「女の子」

親は子どもにステレオタイプなイメージを押し付けていないでしょうか。

 

私は、よく親に「男らしくしなさい」と言われ続けました。

 

 

本当に嫌でした。

 

 

男らしさってなんやねん。

 

 

 

潜在的に大人は子どもの性別をどこまで意識しているのでしょうか。

 

 

アメリカである研究が行われました。

 

被験者の大人は、

子どもが痛みを訴えるビデオを見ます。

(医師によりfinger-stickという方法で血液採取を行われるビデオ)

 

2つのグループに分けられますが、どちらも同じ子どもが出演する同じビデオを見ます。

 

違うのは、

1つのグループは、子どもの名前を「サマンサ」という女の子の名前で紹介され、

もう1つのグループは「サミュエル」という男の子の名前で紹介されました。

 

サマンサっていうとセックスアンドザシティの姉さんしか頭に出てこぉへん。

 

さて、被験者の大人は、子どもがどのくらい痛みを感じているかを見積もりました。

 

 

その結果、

「サミュエル」の方が「サマンサ」よりもより痛みを感じているという結果になりました。

 

同じ子の同じ動画であるにも関わらず・・・。

 

 

これが何を意味しているかと言うと・・・

論文の著者は次のように言っています。

 

「性別によるステレオタイプな性質」を大人は潜在的に意識しており、

その性質とは、男の子はより「冷静」であり、

女の子は「感情的」であるというものらしく、

そういった先入観によって、男の子か女の子かによって、大人の感じ方が変わったと。

 

つまり、大人の考え方は次のようになっているということです。

 

男の子は女の子よりも「冷静」である。

だから、男の子が痛みを訴えたら、本当に痛いのだ

 

逆に、女の子は男の子よりも「感情的」である。

だから、女の子の痛みの訴えは大げさなんだ

 

と、こういうことらしいです。

 

けっこう酷い結果ですね。

サマンサ姉さんに怒られそう。

 

論文では、

子どもの性別によって、受けられる医療が変わってしまっているかもしれない。

と問題提起されています。

 

そんなことがあってなるものか!!

と思いますが、実際にはあるのでしょう・・・。

 

 

これはアメリカでの研究の話なので、性によるステレオタイプの性質は日本とは少し違うかもしれません。

 

 

しかし、日本でも性別によるステレオタイプはかなり強いと思います。

 

 

実際、私はそれで苦しんできましたし、

今でも苦しんでいます。

 

 

正直なところ、「男らしくなりなさい」と言われて、

それが嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で、

家出をしたくなったり、死にたくなったこともありました。

 

今でも嫌ですけど。

「男だから重いものを運べ」とか、よくあるけど、

重いものを運ぶのが嫌なんじゃない。

男に分類されるのが嫌なんです。

 

 

そんな私のことを理解してくれる人と出会い、結婚もして私にも娘ができました。

 

「女の子はカワイイねぇ」

 

と良く言われます。

 

自分の子がかわいいと言われるのは、本当にうれしい。

 

でも若干の違和感を感じます。

 

「女の子」だからかわいいのではなく、

自分の子だからカワイイのよ。

(他人の子もかわいいですが)

 

自分も知らず知らず、子どもにステレオタイプな性別による特徴を押し付けないように気をつけよう。

 

ジェンダーの押しつけは子どもを心底傷つける。

 

私は良く知っている。

 

引用元

Brian D Earp, Joshua T Monrad, Marianne LaFrance, John A Bargh, Lindsey L Cohen, Jennifer A Richeson; Gender Bias in Pediatric Pain Assessment, Journal of Pediatric Psychology, , jsy104, https://doi.org/10.1093/jpepsy/jsy104

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