私たちもそろそろ二人目が欲しいころ。
妊娠にまつわる新しい論文があったので紹介します。
今日のは運動とはあまり関係ありません。
産後うつに関する論文です。
産後はホルモンの急激な変化などで、うつになりやすいのですが、
その論文に書かれていた結論は驚愕でした。
男児を妊娠した人の方が女児を妊娠した人よりも産後うつのリスクが高い
えっ・・・。
女の子の方が楽だよ~。とか
男の子のうちは戦争だ。とか。
自分たちが妊娠した時、
大量に吹き込まれる諸先輩方からのありがたい助言。
確かに、自分のうちは女の子で、同じ年頃の男の子を見ると、
「大変そうやなぁ~」とか思うことはありました。
でも、男と女の違いっていうより、
それぞれの子の特徴と、家庭の環境やろ。
と思っていました。
しかし・・・
研究によって、男児を妊娠している方が産後うつのリスクが高いことがわかったのです。
出産を経験した閉経後の女性に対して、後方視的に情報を集めて分析しています。
集めた情報は、
産後うつの診断をされたか、児の性別、妊娠の合併症、ソーシャルサポートの有無などなど。
294人のデータが分析されました(出生児数は647)。
すると、
男児を妊娠した人は、女児を妊娠した人よりも71-79%も産後うつになる割合が多かったのです(1.75倍)。
もちろん統計学的に検証されています。
ちなみに、合併症のある人は175%も産後うつになる割合が多かったです(2.75倍)。
合併症があったかどうかは、アンケート調査によって行われており、
合併症の詳細まではわかりません。
合併症は何となくわかるんですけど・・・
胎児の性別でなんでそんなにリスクが変わるん???
うつの原因の一つは、身体の中でおこる微細な炎症と言われています。
慢性炎症というやつです。
男児を妊娠した方が、女児を妊娠した場合よりも、慢性炎症が強いというのです。
それは、この論文よりも前の研究でわかっていたことらしい。
そもそも妊娠中は炎症を引き起こす物質が活動的な状態。
胎児が男児である方が女児の場合よりも妊婦の炎症を引き起こす物質が高いこと、
胎盤の組織を調べても胎児が男児の方が炎症に関係する物質が高いこと、
がわかっています。
とりあえず、お腹の中にいるのが男児である方が、炎症が起こりやすいということです。
それはなぜか・・・。それは書いてありませんでした。
Y遺伝子が母体の中で炎症を引き起こすのか・・?
オス化する時に炎症を引き起こすのか・・・?
いろいろ考えてみましたが、これは私の推測。
やっぱり男児の方が大変やないか!
出て来てからが大変かと思ったら、
お腹の中にいるときから、大変やないか!!
ということですね・・。
この研究は、出産経験者に対して後から調査をしている研究なので、
炎症の指標は測定していません。
だから、男児がお腹にいた方が女児がいるよりも産後うつになりやすいことはわかりましたが、
そこに炎症が関わっているかどうかはわかりません。
とりあえず男児のお母さまたち、お疲れさまです。
引用元
Sarah Myers,Sarah E. Johns;Male infants and birth complications are associated with increased incidence of postnatal depression.Social Science & Medicine,2018.
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