運動しなさい運動しなさい。
お医者さんから運動しなさいと言われ続ける妊婦さん。
いったいどれくらい運動したらいいのでしょうか？
このたび、カナダで最新のガイドラインが発表されました。
この記事は、運動や身体活動に関する英語論文の内容を紹介するものです。
妊娠中の運動に関しては必ず主治医に相談してください。
ガイドラインの内容の前に、
このガイドラインでは、おススメ（Recommendation）の度合いを２段階に分けています。
強く推奨・・・全ての妊娠中の女性におススメ。
弱い推奨・・・場合によってはおススメ。専門家の意見が必要
そして、根拠（Evidence）の度合いを４段階に分けています。
高い根拠・・・ほとんど事実で間違いないでしょう
中程度の根拠・・まれに間違いがある場合があります
弱い根拠・・・間違いが含まれるかもしれない
とても弱い根拠・・・間違いが含まれていそう
ではガイドラインの内容です。
１．妊娠中の女性（禁忌に当てはまる人以外）は運動をおススメします（強い推奨、中等度の根拠）
・運動習慣のなかった人・・・強い推奨、中等度の根拠
・妊娠糖尿病と診断された人・・・弱い推奨、弱い根拠
・肥満・体重超過の人（BMI25以上）・・・強い推奨、弱い根拠
２．週に150分以上の中程度以上の運動をしましょう。
健康に良い効果と妊娠合併症の予防が期待できます（強い推奨、中等度の根拠）
３．身体活動は週に3日以上は行いましょう。できれば毎日行いましょう（強い推奨、中等度の根拠）
４．有酸素運動と筋力増強運動を盛り込みましょう。ヨガや優しめのストレッチも追加すると良いかもね（強い推奨、強い根拠）
５．骨盤底筋群の運動は尿漏れ防止に効果があるかもしれません（弱い推奨、弱い根拠）
６．運動していて頭がくらくらしたり、吐き気がしたり、気分が悪かった時、仰向けの姿勢はやめましょう（弱い推奨、とても弱い根拠）
以上がガイドラインの大まかな内容です。
2番目の「中等度の運動を週に150分」は妊婦に限らず成人みんなに当てはまります。
では「中等度」ってどれくらい？？
このガイドラインの中では、
29歳以下の妊婦・・心拍数125－146bpm
30歳以上の妊婦・・心拍数121ー141bpm
とされています。
では運動する時の注意点。
・とても暑い日、特に湿度も高い日はやめてください
・接触があったり転倒の危険のある活動はやめてください
・スキューバダイビングはやめてください
・標高が2500m未満に住む人は、2500m以上の高地での運動はやめてください
・運動が母体や胎児に及ぼす影響を理解している産科の専門家の助言を得てください
・適正な栄養と水分を維持してくださいー運動中および前後に水を飲んでください
スキューバダイビングだけ特別・・・！！
と思ったけど、確かに接触も転倒の危険も少ないけど、危なそうや。
次に運動を中止し、専門家に報告・相談する場合です。
・呼吸が早くなって休んでも元に戻らない時
・強い胸痛
・痛みを伴って継続する子宮収縮
・膣からの出血
・前期破水の兆候である膣からの分泌物
・休んでも元に戻らない眩暈と脱力感
最後に、運動をしてはいけない人です。
まずは運動を絶対にしてはいけない人たちは次に当てはまる人。
・前期破水（陣痛前破水）
・早産
・原因不明の継続する膣からの出血
・前置胎盤
・子癇前症
・不全頸管
・子宮内胎児発育不全
・多胎妊娠（３つ子以上）
・コントロール不良の１型糖尿病
・コントロール不良の高血圧
・コントロール不良の甲状腺疾患
・その他の重大な心血管、呼吸器疾患
次に相対禁忌。
運動をやる前には専門家に相談する必要がある人です。
・最近の流産
・妊娠高血圧
・自然早産の既往
・軽症、中等症の心血管・呼吸器疾患
・貧血の徴候
・栄養失調
・摂食障害
・２８週以降の双胎
・その他の特徴的な医学的状態
以上がガイドラインの内容です。
このガイドラインは１０８個の論文を基に作成されています。
運動の内容や禁忌（やってはいけない人）などとても具体的です。
カナダ人を対象にしたものですが、日本人にも大まかには当てはまりそうですね。
引用元は、
Mottola, Michelle F., et al. “2019 Canadian guideline for physical activity throughout pregnancy.” Br J Sports Med 52.21 (2018): 1339-1346.
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妊娠中は味の濃いお野菜を食べましょう。
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