雨が続きますね。
私のように「運動はした方が良いのはよくわかっているけど、めんどくさくてやりたくなーーい」と考えている人にとって、
雨が絶好の言い訳になります。
どうやったら運動は続けられるの??
そのモチベーションを保つのは大変。。。
私は理学療法士なので患者さんに自宅での運動を処方していました。
しかし、自分が半月板損傷で手術をして、その後理学療法を受けたとき、
理学療法士からホームエクササイズを言い渡されました。
自宅で運動したかって??
もちろんやりませんでした。
ひとつもやりませんでした。
その運動をしなくても日常生活をしていたら回復するのがわかっていた(そういう明確な知識があった)というのはあります。
でも全くやりませんでした。
そして、次に病院に行った時にこう聞かれます。
「おうちで運動しましたか?」
そしてこう答えます。
「はい。少しやりました」
このように、やらなければいけない運動や推奨される運動を実際に実行するかどうかを、
運動のアドヒアランス(治療方針の遵守)と言います。
私は極めてアドヒアランスの悪い患者です。
では、どうやったら運動のアドヒアランスは良くなるのでしょうか。
運動のアドヒアランスに着目した研究を紹介します。
運動後の血圧を確認すると運動をやる気になる??
この研究はアメリカのコネチカット大学の研究者が中心に行われました。
血圧の高い健常者(正常高血圧)24名を2つのグループに分けています。
参加者の平均年齢は52歳です。
グループの一つは、決められた運動と自宅での運動を自分で行う運動群。
もう一つは運動群の内容に加えて運動前後の血圧を測定する血圧測定群。
血圧測定群では、運動前後の血圧を測定します。
運動後24時間以内に血圧は下がります。血圧測定群は、その運動後の血圧低下を自分で測定して記録するのです。
対象は健常者ですが血圧の高い人たちです。
そのため比較的血圧に関心の高い人だと言えます。
この研究の目的は、
「運動後の血圧低下」を実際に測定することが、血圧の高い人たちの運動のアドヒアランスに影響するかどうかを調べることです。
研究の2つのグループには次のような運動が課せられました。
監視下で週に3回、40-50分の自転車運動を12週間。
非監視下で週に1-2回、1回につき30分のホームエクササイズ。
運動群も血圧測定群もこれらの運動を行います。
実際に運動した量を可能な運動の量で割った値がアドヒアランスの割合として計算されました。
実験の結果、
監視下の運動では運動群のアドヒアランスは81%
血圧測定群のアドヒアランスは94%でした。
ホームエクササイズでは運動群は82%、血圧測定群は107%でした。
監視下でも非監視下でも、血圧測定群のアドヒアランスが良いという結果になりました。
なんと!!!
血圧測定群はホームエクササイズは100%を超えている・・・。
推奨された量を超える量の運動を行ったということですね。
血圧測定おそるべし・・・。
やっぱり運動の効果が目に見えてわかるのんって大事ですね。
しかもすぐに効果が表れるから運動をやる気になったのでしょう。
ちなみにこの研究のどちらのグループも血圧は下がっており、
血圧の低下度合いにはグループ間で差はありませんでした。
症例数の少ない研究ですが、とてもおもしろい研究だと思いました(私は)。
論文はJournal of Hypertensionという雑誌から。
インパクトファクターは4.8です。症例数が少なくてもアイデアとデザインが良ければ載るんですね。素晴らしい雑誌だ。
Abstractのみ読めます。