インパクトファクターの誤った使い方3選

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インパクトファクター。

論文を投稿したり読んだりする時に気になるものです。

いろんな問題もある指標ですので、気にしなくても良いかもしれませんが、

やっぱり気になる・・・。

 

しかし誤用されていることも多い「インパクトファクター」という指標。

 

この記事ではインパクトファクターの誤った使い方を紹介します。

 

その前に、そもそも・・・

 

「インパクトファクター」とは何なのか

 

インパクトファクターとは、

ある雑誌の平均的な論文引用数のことです。

 

ある雑誌の論文が引用された数 / その雑誌が過去2年間に掲載した論文数

で求められます。

掲載論文数に対して引用論文数が多ければimpact factorは高くなります。

つまり、その雑誌に掲載された論文がどれだけ引用されているかを表します。

 

impact factorは雑誌の指標です。

 

論文や研究者の指標ではありません。

 

しかも、「単なる引用された論文の数」を計算した指標です。

どのような理由で引用されるかは考慮されていませんし、

Review論文は引用されやすいので、Review論文が多い雑誌はインパクトファクターが高くなります。

 

また、分野によっても雑誌の数が違いますので、

違う分野間でインパクトファクターを比べるのも良くないかもしれません。

 

インパクトファクターの誤った使い方3選

 

1.「この論文のインパクトファクターはいくつ?」

上述した通り、インパクトファクターは雑誌に対する指標ですので、

論文自体の価値を決めるものではありません。

「インパクトファクターいくつの雑誌に掲載された論文なの?」

なら正しいと思います。

ある大学教員の募集要項に「impact factor 1以上の筆頭論文3本以上」

という条件があったのですが、間違いです。

まぁ意味は通じるので良いんですけどね・・・。

 

2.「私の合計インパクトファクターは・・・」

インパクトファクターは論文の指標でもなければ、研究者個人の指標でもありません。

インパクトファクター5.0の雑誌と、インパクトファクター3.2の雑誌に自分の論文が掲載されたとします。

その事実はそれ以上でもそれ以下でもないわけで。

合計して、「私はインパクトファクター8.2だ!」とはなりません。

以前、ある医療ドラマで医学部の教授同志がそれぞれの合計インパクトファクターを争っていました。

さらにそのドラマの中でのインパクトファクターの説明もウソばっかり。

インパクトファクターの意味を知っている人たちは寒気がしたと思います。

ブルブルブル・・。

変なイメージをつけさせないで・・・。

それと、日本の医療ドラマって主人公の医師以外みんな暇そうなのは何で?

 

3.「この雑誌はインパクトファクターが上がるからねらい目だよ」

インパクトファクターは株価ではありません。

引用論文数で計算されるので年によって変わるのですが、過去よりインパクトファクターが上がっても特に意味はありません。

確かに新しい雑誌は始めインパクトファクターがつかず、3年くらいたってからインパクトファクターがつくことがあります。

新しい雑誌や、インパクトファクターが年々上がってきている雑誌に、「将来インパクトファクターが上がるから」という理由で投稿する人もいます。

株価のように増減を一喜一憂する指標ではありません。

自分の論文が掲載された雑誌のインパクトファクターが将来あがったとしても、自分の研究や論文の価値があがるわけではありません。

 

自分の書いた論文がどう評価されているかは、自分の論文が引用された論文を読むといいと思います。

Google Scholar や Pubmed, Research Gateなどで自分の論文が引用されているかどうかはすぐにわかります。

 

さて・・・私も論文を書かねば・・。

 

インパクトファクターはいろいろ誤って使われることの多い指標。

しかし、一般に雑誌の質を測る指標の一つとされていて、

論文投稿先を選ぶときとか、自分が引用する論文を選ぶときとかの参考にはなるので便利な指標ではあります。

 

ハゲタカ雑誌なども問題になっています。

雑誌や論文を見る目を養うことが求められますね。

研究者もメディアも。

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