健康診断で認知症を予測する

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よし!!去年よりコレステロールが下がった!!!

 

大の大人が一喜一憂する健康診断。

試験結果を見る学生のように。

 

1週間前から運動して、2日前から禁酒して。

結果に満足した後は、また元通りの生活習慣。

それも学生みたい。

まだ学生の一夜漬けの方が意味がある・・・。

 

健康診断は何のためにやるのでしょうか?

 

 

いろんな意義があると思いますが、大きな目的は

生活習慣病の予防です。

 

 

脳卒中や心臓病などです。

 

そして、認知症も生活習慣病なのです。

 

もちろん例外はありますが。

 

脳卒中や心筋梗塞を発症させる動脈硬化は、

認知症の原因にもなることがわかっています。

 

 

では、健康診断のどの結果が認知症の発症に影響しそうなのでしょうか??

 

そんなことがわかる研究の紹介です。

JAMA Psychiatryからです。(JAMAは医学四大雑誌のひとつ)

 

なんと、14年間に渡り体重、血圧、HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪、血糖を測定し、

認知症の診断のついた人と、認知症の診断がつかなかった人での違いを比べています。

 

研究期間は1999年から2014年。

フランスで行われました。

対象は65歳以上です。

認知症と診断された785人、

年齢や人種などが同じで認知症と診断されなかった3140人が参加しました。

65%が女性で平均年齢は76歳。

さて、結果はどうだったのでしょうか・・。

 

体重(BMI)

認知症の人は、早くから体重が下がる傾向にありました。

血圧

認知症の人は、緩やかに血圧が下がっていました。

 

血糖値

認知症の人は、診断されていない人と比べて、高い血糖値でした。

しかも・・・・

認知症の人が高かったのは・・・認知症と診断される14年前、

つまり、研究が始まった当初から血糖値が高かったのです・・・。

コレステロール、中性脂肪

これらは認知症の人とそうでない人で差はありませんでした。

 

動脈硬化の進行には、血圧とかLDLコレステロールが影響しそうですが、

この研究ではもっとも認知症に影響するのは「血糖値」という結果。

血糖値・・・おそろしや。

 

まさに糖尿病はサイレントキラーですね。

 

お菓子・・・・それは、やめられない。。

 

 

さて、以上の結果を次のように結論付けています。

・体重減少は、認知症の臨床症状が出る前触れかもね。

・血圧の低下は、認知症の原因かもしれないし結果かもしれない。

認知症によって血圧が下がるのか、血圧が下がって認知症になるのかはわからないってことね。

血糖値の上昇は、高齢者では認知症の危険因子になりそう。

 

ということで、健康診断のデータで認知症を最も予測できそうなのは、

血糖値と言うことになります。

ちなみに、認知症と診断された人の研究開始時(つまり認知症と診断される14年前)

の空腹時血糖値の中央値は90.1㎎/dlです。

(これ以上高かったら認知症になるというわけではありません)

この研究は、フランスの都会に住む高齢者を対象にしています。

だから若年から中年に応用できるとは言えません。

とも論文に書いてあります。

 

ただ、高齢者の血糖値を下げることは、認知症の予防につながる可能性がある

ということは言えそうです。

 

 

年を取ってから、甘いものを辞めるなんて・・・

・・・できません!!

 

引用元は、

Wagner, Maude, et al. “Evaluation of the Concurrent Trajectories of Cardiometabolic Risk Factors in the 14 Years Before Dementia.” JAMA psychiatry 75.10 (2018): 1033-1042.

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