32番窓口-波乱の中国旅行第4話-

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私のパスポート・・・・・。

 

不安が頂点に達した時、奥から受付のお姉さんがパスポートを持って戻ってきて言いました。

 

 

「It’s not here」(ここちゃうで)

 

 

 

「そやろな。ほな、どこ行けばいいのん?」と聞くと、

 

「72番窓口(seventy two window)」と。

 

ついに掴んだ有力情報。

 

 

 

しかし前を見ると、必死にジェスチャーをしているお姉さん。

その手を見ると、明らかに「32」と言いたそう。

 

 

なぬ。どっちやねん。

 

 

 

一応、確認しました。

「32番?」

 

 

そうそう!!とにこやかにうなずくお姉さん。

 

 

これは32っぽいな。

 

 

 

窓口にはそれぞれ番号がついていて、私が並んでいたところは50番くらいでした。

 

よし!32を探せ!

 

 

ウロウロウロウロ。一回り。

 

 

 

 

 

 

32がない・・・・。

 

 

 

 

 

なんでやねん。

 

 

 

もう一回ウロウロウロウロ。

 

 

 

 

やっぱりない。

 

 

 

 

 

この時の悲壮感たるや。

こんなことってあるのか。

中国で私は何をしているのだ。

帰りたい。もりガールとブリちゃんに会いたい。

しかし、上海の駅で寝るのは嫌だ。南京に行きたい。

 

 

残りは1時間半もない。

 

いよいよ焦ってきました。

パンダ見に行くとか言ってた頃が懐かしい。

 

 

ないよ。32がないよ。

 

ふと見上げた先には、72番がありました。

 

・・・・・・。

 

 

もう悩んでいる暇はありません。

72の列に並びます。

 

 

上海大行列再び。

 

 

そして、私の番。

 

 

 

・・・・・

 

 

 

「It’s not here」(ここちゃうで)

 

 

 

頂きました。無情の言葉。

 

 

「Thirty two window」

 

やっぱそやんな。

 

 

で、32番ってどこやの?

 

 

B1 flour(地下1階やで)」

 

 

はっ?? 地下1階??

 

そもそもここ何階やねん。

違う階の窓口なんか分かるか!

 

 

 

「地下1階はどこから行くん?」

 

 

「エスカレーターやで」

 

 

 

そりゃそうだろうね。

 

 

 

とりあえず、最有力情報を手に入れた。

次は地下1階やな。

 

残り1時間。

 

 

 

上海の大きな駅を荷物をゴロゴロ引っ張りながら何周も何周も一人で回っている日本人。

なかなかおらへんやろなぁ。帰国したら絶対ブログに書いたろ。

 

など雑念を抱きながらエスカレーターを探す。

 

 

あった!

 

 

よし・・・・とりあえず降りよ。

 

 

 

B1

 

 

 

あぁ・・よかった。見つけた。

 

ゲームの主人公ってこんな気持ちなんやろなぁ。

 

そんなことより32番窓口や。

 

 

 

どこやどこや?

 

 

 

 

あった!!やっと見つけた。

大量の汗。そして息切れ。

 

 

お!並んでいるのは明らかにアジア人じゃない人!

ぬぬぬ・・おぬしら何故ゆえにここに易々とたどり着きなすった?

 

 

 

のこり45分

 

3度目の上海大行列

 

 

またびっくりするくらい列が進まない。

カタツムリに周回遅れにされそう。

 

 

しかし、ここまでくると私の脳内はポジティブ勢力が占めていました。

 

きっと切符を貰える。

 

 

 

 

私の番。

 

 

 

無表情のおじさん。

 

 

ペラペラと紙を見て・・・・

 

パスポートを見て・・・

 

 

 

そして・・・!!

 

 

 

おじさんは表情一つ変えずに、切符をくれました。

 

 

 

やっと・・やっと手に入れた!!!

 

 

やっぱり南京へ行くのは飛行機でなくて新幹線やったんや。

 

 

電車のチケットも取ってくれるなんて。

エクスペディア最高かよ。

 

 

 

 

 

いやいや、わかりにくいわ!!!

フライトNo.とか書くなや。。

 

 

残り15分。急げ!!

 

 

大きな荷物を引きながら、ひとりエスカレーターを昇る日本人。

荷物検査にひとり何の違和感もなく並ぶ日本人。

 

なんか馴染んできた??

 

うん、虹橋空港駅のことなら私に聞いてくれ!

 

 

 

さあ、急ぐんだ!!

 

 

5時間のトランジットの時間がありながらこの有様。

空港で中国東方航空のデスクに聞いてればもっと早かったかもしれない。

 

 

何はともあれ切符が手に入り、新幹線に乗れました。

95%の疲労感と5%の達成感を感じながら南京へ向かうのでした。

 

 

これが私が喉から手が出るほど欲しかった切符。

席は2等席(一番下のランク)でしたが乗り心地は良かったです。

というか乗り心地なんて、もはやどうでも良かったです。

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